機能だけでなく、本質を伝える。 ストーリーがあるから生まれる新しい出会い。
サマリー
和紙を使用した繊維を開発し、刺激に敏感な人でも着用出来る肌着ブランド「ONELUCK(ワンラック)」を立ち上げた佐野幸策さん。another life.の取材をきっかけにブランドの方向性が固まり、その結果様々な出会いが生まれていると話します。another life.との関わりの中でどんな変化があったのか、お話を伺いました。
パートナー企業紹介
佐野幸策さん mizani株式会社 代表取締役 パターン外注事務所やメンズアウトドアブランドミラノ、パリコレクションでの経験後パタンナーとしてのキャリアを積み、独立。アトピーに悩む長男を見て、肌に優しい素材の開発を始め、和紙に出会う。2年半の研究の結果、ONELUCKブランドを立ち上げた。
導入事例
another life.記事掲載
取材で感じたストーリーの力
ーanother life.を知ったきっかけを教えてください。
あるイベントに参加した時、ドットライフの取締役の方と出会ったことがきっかけです。自分のブランドを始めて半年ほど経ったタイミングでした。その後テレビ番組の出演機会などをいただき、another life.でも取材いただけることになりました。
ー取材を受けてみて、いかがでしたか?
ウェブメディアでの取材は初めてだったので、まず周囲からの反応が大きかったですね。「え、佐野さん取材受けたんですか?」と連絡いただけるのが単純に面白かったです(笑)。それから今まで、様々なメディアの取材を受けましたが、個人的にはanother life.さんが1本目でよかったと感じています。
というのも、うちは自社で商品を作っているので、どうしても商品そのものの取材になってしまいがちなんです。だけどanother life.さんの場合は、商品ではなく作っている人の生き方やこれまでの流れを取材していただける。そのストーリー性の部分を掘り下げていただいたのがすごく良かったと感じています。
さらにはっきりいうと、その経験があったから、うちのブランドはストーリーを大事にする方向で行こうと決めました。
ブランドの作り方としては、スポーツウェアみたいに素材である和紙の機能性を全面的に押し出すとか、有名ブランドのようにモデルを起用してそのイメージで売っていくなどのやり方もあります。どちらも自身の想いや世界観の表現なので間違いではないし、このやり方で大きな会社を作られている方もいます。でも自分は、この取材があって、ストーリーを大事にする空気感がいいなというのをすごく感じて。だから、自分のブランドでもストーリー性を大事にしていこうと考えました。
例えば、うちの服って大人の洋服でも縫い代が全部外側に出ているんです。それは、縫い代も肌を傷つける要因の一つだから。一番肌に優しいベビー服を基準にして、大人の洋服も作っているんですよ。もちろん、ファッション性だけをとっても負けないものを作っていますが、そういう想いを発信して、共感していただける方に購入していただけるようにしたいと思っています。
ストーリーを出会いのきっかけに
ー自分のストーリーを発信する経験を通して、ストーリーの重要性を感じてご自身のブランドにも取り入れられたんですね。実際に、ストーリーがあることで変わったことはありますか?
今も企業のお客様と一緒に仕事をさせていただいていて、いわゆる機能性だけではないベクトルがあることがすごく大きいと感じています。
例えば自分の子どもがアトピーで、それを解決したいと始めて形にしていっていること。そういったストーリーがあることは、それだけでブランド価値なんですよね。これはすごく資本のある会社でもできないことだと思っています。
機能性の話ももちろんさせていただくのですが、そうじゃないストーリーの部分での共感があることで、一緒に物事に取り組みやすくなると思っています。
だから、自己紹介をするときやプレスリリースを出すときは、another life.さんの記事のURLを添付するようにしています。僕自身が自分のことやブランドのことをあの解像度で伝えようと思ったら、お酒を買って4時間くらいかかっちゃいますよ(笑)。でも、記事だったら15分くらいで見られるじゃないですか。
嘘偽りなく知ってもらえるので、「このブランドを作っているのはこういう人です」と知っていただくために、今後も添付したいと思っています。あのメディア好きなんです、という声をいただけることも多いですよ。
それから、新しく始められたプロフィールサービスも良いと思って登録しました。メディアへの出演実績や最新情報を自分で更新できるんですよね。今後例えばテレビに出させていただくことがあれば、出演前に書いておいて告知にしたり、終わった後にはテレビの出演実績として残したいと思っています。
佐野さんの実際のプロフィールページはこちら
想いの根幹がブレないから可能性が広がる
ー最後に、今後の展望について教えてください。
今は国内でEC展開しているのですが、今後はグローバルに展開していきたいと考えています。加えて、和紙から作った繊維を活用し、農業資材への展開も視野に入れています。
もともと、ONELUCKというブランドは「肌の弱い人に対するソリューションの提案」から始まりました。もちろん衣類もその一つです。ただ、衣類だけでは本質的な課題緩和で有ると感じる時があって。その本質というのは、食べ物。そしてさらに掘り下げると、その食べ物を作っている土を無視することができなかった。
土をよくすることに寄与できないかと考えた結果、マルチという畑に敷く黒いビニールの代わりを作ってみることにしました。マルチはそのままにしておくと、紫外線で分解してマイクロプラスチックになってしまいます。また、ビニールマルチは、使い終わった際剥がす事が重労働ですそこで、100%生分解して土に還るOneLuckの和紙をを使って、マルチの代わりとなる製品を作ろうとしているんです。いずれは、土と洋服とが繋がるような取り組みができたら面白いと考えています。
正直、「ファッションってかっこいいでしょ」という世界観でブランドを作っていたら、ブランディングとして農業という領域には踏み込めなかったと思うんですよ。でも、僕らは取材を通して「肌の弱い人に対するソリューションの提案」をするブランドだという根底の想いが明確になったから、それがブレなければ大丈夫。和紙という原料の強みを生かした、様々な取り組みができる可能性があると思っています。
anotherlife.さんとは、最初の取材から始まり、いろいろなイベントにも参加して様々な人との出会いがありました。今後は特に、人材派遣では出会えないような、やりたいことややるべきだと思っていることが重なる人同士が出会える機会があるといいなと思っています。そんなマッチングの機会が有れば嬉しいですね。