dotlife menu-image

マスメディアに取り上げられるには?PR・広報相談会イベントレポート

マスメディアに取り上げられるには?PR・広報相談会イベントレポート

課題を抱えている広報・PR担当者をサポートするため、専門家・有識者が情報発信・議論を行う「広報、PRお悩み相談会」が8月に開催されました。放送作家の金森匠さんをお招きし、メディアに取り上げられるための「必勝法」をテーマにメディア側の気持ちからPRの切り口まで、大勢の前では話しにくいリアルな話を沢山語っていただきました。

登壇者:金森 匠さん プロフィール
放送作家(日本脚本家連盟所属)
神奈川県横浜市出身。上智大学卒業後、総合商社の営業部でコーヒー原料の輸入・販売を担当。20代後半でフリーランスの放送作家に転身。
民放キー局のバラエティ、スポーツ、報道、情報カルチャーを中心に携わった番組は1000本。企業の広報PR担当へは「コストをかけずにメディアで成果を出す」をテーマに、アイデア出しのフレームワークのアドバイスをおくっている。大手広告代理店、行政、一般企業の案件にも携わっている。


モデレーター:新條 隼人
株式会社ドットライフ代表取締役
一橋大学商学部卒業後、株式会社ネットプロテクションズ入社。後払い決済事業の営業グループリーダー、新卒採用担当等を経てドットライフを立ち上げ。1000人以上の人生ストーリーを配信し、オンライン・オフラインで交流ができる「人生経験のシェアリング」サービス、another life.を運営。また、そのネットワークを生かしテレビ番組の専門家キャスティングにも携わる。

情報を伝える上で大事なのは「受け手側の視点に合わせること

少人数のグループカウンセリング形式で開催された今回、まずはトークセッションに入る前に各参加者が自己紹介と合わせて「取り上げられたいメディア」とその内容のイメージをシェアいただきました。朝の情報番組やバライティーなど、様々な番組の名前が上がり、各参加者の課題感も共有しました。

まずは参加者全員と、「伝える側と聞く側の認識がいかに認識がズレているか」という実験から行っていきました。参加者の中の一人が、誰もが分かる有名な曲のリストの中から一曲を選び、回答者以外の参加者にその曲名を共有します。その後、曲のリズムをペンで机を叩いて演奏を行います。回答者はそのリズムを聞くだけで曲名を当てるという実験を行いました。ここで演奏した側は、「自分が演奏した曲を当てられる」確率は30~40%と予想しましたが、回答者は全く曲名の予想ができない結果となりました。

これは実際にスタンフォード大学で実施された実験で、120曲同じように曲を当ててもらったそうです。その際も演奏する側は50%正解するだろうという予測に反して、正しく曲名を当てられたのはたった3曲。この例で金森さんは、「伝える側の認識と聞く側の認識が如何にズレているか」ということを指摘。専門家として仕事をしていると、「そんなこと位、みんな分かっているだろう。」という勘違いしてしまい、「知の呪縛」に陥ってしまいます。
「専門分野の領域、得意分野でたくさん本を読んだり、勉強している人であればあるほど、知の呪縛にかかりやすい」と語りました。

グローバル化の中で広報・PRが求められる役割

図1 :スマイルカーブ
出典:ものづくり日本! 製造業復活のシナリオ:強い工場のあるべき姿(合同会社高崎ものづくり技術研究所)http://factorysupport-takasaki.com/article/323322679.html

次に、電子産業などの収益構造を表す「スマイルカーブ」を例に今後広報・PR担当者が担うべき役割について説明しました。

ピンクの点線は90年代前の付加価値の構造、青い線が今の構造を表しています。もともとは、電子産業などの収益構造を表す言葉の1つで、90年代以前は製品の組み立て・製造工程が価値が高いとされてきたことが分かります。しかし、グローバル化の波を受け青の線に付加価値が変化していきました。その中でPR・広報は川上だと考えられがちですが、川下から関わるべきであると指摘しました。

社会にどう影響を与えているか?大事なのは◯◯を因数分解すること

次は、各参加者がアメリカの州の新聞に掲載されることを前提としたこちらの文章を1分間目を通した上で、想定される見出しを考えました。
文章の中身について言及する回答がある中、答えは、「ビバリーヒルズ高校、木曜休校」。
どうしても伝えたい内容に目がいってしまいますが、読み手のニーズを汲み取りその事柄が社会にどう影響を与えているか因数分解することが大事であると説明しました。

また、飛行機のシートベルト着用アナウンスの例を引き合いに人々の関心を集めるための方法についても説明しました。
毎回シートベルト着用のアナウンスは型にはまった説明がされますが、あるフライトで機長が少しウィットを効かせた内容をアナウンスを行ったところで乗客からは拍手喝采だったそうです。ここで「人の関心をつかむのに大事なのは、型を破ること」であると説明しました。

「ひな壇芸人でも、みんなが知っている芸能人に混ざって一人だけ知らない顔が混じっていたりするでしょう。そうすると皆さん、「あの人は誰だろう」と気になってしばらくチャンネルを替えないですよね。テレビではそういったことを意識的にキャスティングで行っている場合もあります。プレスリリースでも同じです。コンテンツ制作で共通して言えることなんですが、常に「興味のない人にみてもらう」という視点が大事です。皆さんよくリリースの決まった型を使って配信されていると思うんですが、受け取っている側からすると全く目に留まらないんですよね。そこに1つ、【◯◯が大実験!】など型と違うものがあると、見ている側はあっと目に止まるわけです。」と型を破る思考の重要性について言及しました。

PR色のある内容は嫌われる。テレビの企画会議の裏側

次に、実際の番組制作の企画に携わる中での経験を基に、企画会議の裏側について紹介されました。金森さんは以前、報道番組にニュースリリースを送る際にその主語を書き換えて送付したことがあったそうです。企業としては、「とある自治体との取り組みをPRしたい」というニーズがあったのですが、リリースのままだと宣伝色が強いと報道側が判断すると考えたからです。そこで、ネタとして報道局に送付する際に「自治体が主導で行う事業」という内容に書き換えてニュースとして取り上げられたそうです。

また、合わせて取り上げてもらいたい番組は絶対に目を通すべきだと主張し、番組が何を求めているのかを考えた上で情報を切り出すべきだと説明しました。

金森さんの説明を受けたのち、参加者からの質問コーナーに移りました。

Q.テレビで企画側の方々は、普段どのように情報収集を行っているのでしょうか。

人を取り上げる場合だと、企画会議の時には雑誌、web、インターネットテレビなど色々な媒体を見て面白い人を探します。
そういう意味でweb上に自社の資産となる情報やコンテンツが置いてあるということは、マスメディアに取り上げられる前段階として大事です。
新人だと「新商品」「新作」などの検索からはじめたりしますが、慣れてくると、だいたい「このメディアを見れば良い情報がある」ということが分かってきてそこを見にいく」という場合も多いです。面白い人を見つけるなら「ロケットニュース」を見るとか。

情報収集後、企画会議で実際に取り上げるか判断する際には、権威あるメディアに取り上げられている、web上で多く反響がある(反響が可視化されている) という2つの判断基準は大きいですね。多くの露出実績があることはその分野での信頼、権威性を裏付ける一つになります。
(新條):番組のキャスティングの際、ディレクターの方から「話している様子ってどんな感じですか?」など聞かれたりすることもあります。素材として話している動画をweb上にコンテンツとして用意しておくと企画会議で通りやすかったりします。

プレスリリースのメール一覧を情報収集源にしているという方は、実態としてほとんどないか思います。取り上げたい話題があって、その検索で引っかかってきたのがプレスリリースだったということはあるかと思います。
これはなかなか最初難しいと思うのですが、プレスリリースに限らずweb上でのコンテンツをストックしていく際、平面(2D)より立体(3D)で「どういう絵が撮れそうか」というイメージを考えることです。ディレクターは常にどんな画になるか考えて判断しているためです。

Q.会社から売り上げの上がる露出を求められています。

A.瞬間風速的な売り上げだけを意識しないことが大事だと思います。よくテレビで取り上げられる飲食店を例にあげると、取り上げられた日から二週間ほどは多くの客が訪れますが、その後しばらくするとすっかり客足が途絶えてしまうという例もよく聞きます。このような露出は、既存ユーザーが離れる原因になりかねません。
まずは「売り上げが上がる露出とはどのような出方なのか」という解像度を社内の中で上げていくことが大事かと思います。

Q.toB企業がTV露出するにはどうしたら良いでしょうか?

A.何故今これをやるのか、社会課題との掛け合わせの視点を持つことが大事だと思います。例えば、ビールブランドのHinekenでは価値観が異なる人たちでビールを飲んで語り合いながら、共通点を探っていくという動画を制作していました。ビールを飲んで語らうことによって、ダイバーシティーの考え方を発信することで大きく話題となりました。関係のない人に自社の商品に関心を持ってもらうためには、その商品が持つスペックを事細かに説明するのではなく、そのプロダクトが人々が持つ本質的な欲求を満たしてあげるようアプローチすることが大事なんです。

企業の名前が直接TVに取り上げられるのは難しいですが、露出後の動線をweb上で設置したり、取り上げられた事実をパブリシティや営業ツールとして活用することで価値化できると思います。

また、ニッチなカテゴリーからマスに越境する時は、権威付けが大事です。
『何か1位を取れるもの』を自社で探してみてください。その為にはまず社内の人的資産を掘り起こすためのファクトブックの作成は有効です。取り上げられる切り口をどんなタグを作りにいくか、考えてみることをおすすめします。

質問コーナーでは多くの参加者から手が上がり、時間ギリギリまで自社のPRの悩みについて様々な角度から質問が出ました。

ドットライフでは、1000人以上の取材経験を生かした採用広報におけるコンテンツマーケティングに関するご相談を初回無料で承っております。
記事を読んで興味を持って頂けた方は、下記窓口よりお気軽にお問い合わせください。

詳細を問い合わせる

資料請求する