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放送作家が教える、メディアに取り上げられるコツとは

放送作家が教える、メディアに取り上げられるコツとは

課題を抱えている広報・PR担当者をサポートするため、専門家・有識者が情報発信・議論を行う「広報、PRお悩み相談会」が先日開催されました。放送作家の金森匠さんをお招きし、メディアに取り上げられるための「必勝法」をテーマにメディア側の気持ちからPRの切り口まで、大勢の前では話しにくいリアルな話を沢山語っていただきました。

登壇者:金森 匠さん プロフィール

放送作家(日本脚本家連盟所属)

神奈川県横浜市出身。上智大学卒業後、総合商社の営業部でコーヒー原料の輸入・販売を担当。20代後半でフリーランスの放送作家に転身。

民放キー局のバラエティ、スポーツ、報道、情報カルチャーを中心に携わった番組は1000本。企業の広報PR担当へは「コストをかけずにメディアで成果を出す」をテーマに、アイデア出しのフレームワークのアドバイスをおくっている。大手広告代理店、行政、一般企業の案件にも携わっている。

モデレーター:新條 隼人

株式会社ドットライフ代表取締役

一橋大学商学部卒業後、株式会社ネットプロテクションズ入社。後払い決済事業の営業グループリーダー、新卒採用担当等を経てドットライフを立ち上げ。1000人以上の人生ストーリーを配信し、オンライン・オフラインで交流ができる「人生経験のシェアリング」サービス、another life.を運営。また、そのネットワークを生かしテレビ番組の専門家キャスティングにも携わる。

プレスリリースから取り上げられることはほとんどない?!番組企画の裏側  

少人数の勉強会形式で開催された今回、まずはトークセッションに入る前に各参加者が自己紹介と合わせて「今日学びたいこと」をシェア頂いたあと、トークセッションに入りました。

新條:まずはメディアが取材、ネタを探す方法って図のようにメディア自体に階層がありますよね。例えば、TV番組のディレクターの方のネタの探し方って、基本的にもうどこも取り上げてないものをというよりは新聞で取り上げたものだったりとか、SNSで話題になったものとかを扱っていくのが多いと思うのですがそのあたりいかがでしょうか?

金森さん:今は情報のスピードはどう考えてのwebやSNSの方が早いので、扱う内容が後追いになることもありますね。TVの場合、TVの構造上単位時間あたりの配信単価って一番高いから、誰が見ても「これを今見なきゃ」っていうものは、全然いいんですけれども、そうでない場合は「今見逃すと損しちゃいますよ」という文脈をつくることが大事です。皆さんの中には、テレビの番組に企画提案行ったことある方もいると思うんですけど、そこで企画が採用されなかった場合はその理由を説明できていないことが多いです。

例えば実際、朝の情報番組でトレンドを紹介するコーナーを担当していたことがあったのですが、企画の方法として季節性がまずベースにあります。我々作家やディレクター、リサーチ会社から上がってくるネタの中からテーマにあった企画を作る。これが基本的な作業です。説明すると簡単なんですけど、これが1回じゃなかなか決まらない。時間ギリギリまで必死に探します。大変残酷な現実をいうとスタッフルームにくるファックスのプレスリリースから選ぶってことは、ほとんどないです

新條:なるほど。リサーチャーやディレクターの方がネタを調べる場合、普通にwebで検索したりもしますよね。

金森さん:はい。調べた後、全部裏どりをするのは前提としてあります。基本自分の足で稼ぐ、人に伝える時のネタは一次情報。流行ってるものも、自分で行って目で確かめて、食べて、それは自信持って出すことを大事にしていますね。

新條:企画の持ち込みの概念ももちろんそうですが、既存のメディア上に情報が置かれていないと取り上げるのが難しいということですよね。

金森さん:そうですね。また、情報の信頼性の話だと外部メディアに掲載されていた方が説得の確度が上がります。情報番組のスタッフルームは、ほとんど全部の紙媒体は置いてあります。新聞主要紙、雑誌、写真週刊誌も見ていますし、webの記事やSNSも当然見ています。それらのチャネルから発信されている情報量も選ぶ側からすると1つ根拠になります。

新條:例えば我々がTV番組のキャスティングを行う際も、1回取材した実績とお話した時の様子が説明できるのでその一次情報を説明できるのは大きいのかなと思っています。

TVのみならず、いきなり影響範囲が広いメディアから取り上げれるものは基本あまりないだろうなと。なので、図の中の下のレイヤーにいくほどニッチの集合体になっていき、上に行くほど、公約数にならざる得ない。どうしても公約数になる場合に他の露出実績の蓄積が全部資産になっていくというのが1番基礎の話としてありつつ、じゃあどう露出するかという話がありますね。

金森さん:はい。プロダクトやサービスを、そのままテレビにいきなり持っていくのっていうのはなかなか地上波だと難しいです。ベンチャー企業だとよっぽど尖ったサービスとかで何かと抱き合わせないと、それだけで取り上げらるっていうのは厳しい。テレビ的にはインパクトあってやりたいんだけど、本当かどうか実証実験がされてなかったりするとリスクが大きいですよね。コンプライアンスの面で昔に比べると、ちょっとしたことで炎上や謝罪することのコストの方が、すごいかかります。新しいサービスが出たとしても、それがちゃんと裏取りされて、しっかりしてるものだったらOKだとか。あと最近で言うと反社の問題があるので、この会社大丈夫なの?っていうところもあるんですよね。

BtoB企業が取り上げられるための切り口と大事なポイント

新條:消費者と直接結びついているサービスだと話題が作りやすいと思うのですが、BtoB企業の場合だとどんな風にネタ作りを行うのがよいでしょうか?

金森さん:普段意識してるといいことは、事件が起こったり、例えば災害が起きた時など、自分の会社何か関係あるかなっていう視点を一個持っておくと良いかもしれません。BtoB企業でも、どこかで絶対消費者と繋がっていますよね。テレビの情報番組、いわゆる特集はだいたい1ヶ月前ぐらいから仕込んだりしてるので、売り込みに行くときには結構前からいったほうがいいです。なにかあったときのためにちょっと覚えてもらうっていうことは大事で、覚えてもらうコツも、一回言っただけでは覚えてもらえないので、3日以内にもう一回行く。3日ぐらい経ってから行ったら、次は1週間から1ヶ月にもう一回行く。3回くらいで覚えてもらえます。

新條:特定の番組に取り上げられることを目標として設定すると、露出するならこの文脈というのが意外と絞れるかなと思っていて、そこはターゲット決めてシャープに動いたほうが確率は高い気がします。

金森さん:例えば、会社毎にカルチャーがあるようにテレビの中でも報道、スポーツ、バライティーなど局によっても色があります。僕が特に報道に企画提案する際、私企業が絡んでいる場合は、社名は絶対言わないです。彼らは売り込みって匂った瞬間にすぐシャッター閉めるんです。ある特定の企業のPR色が強そうな場合は、取り上げられにくいです。なので、社会のためにこの会社どんだけ役に立ってるの?ってことをひたすら強調しないといけない。事柄があったとき視聴者がどう思うかか、視聴者を主語にできるか。ディレクターさんが会議を通すときにどんな話し方をするかだと、最初社名からは絶対入らないみたいですよね。その辺りを意識して話を持っていけるかが大事なんだろうと思います。

会社じゃなく社会で「今」起こっていることとして捉えてもらうために、自分のサービスだけじゃなくて関連することとか、縦でつながってたらば自分のサービスとつながってる、自分が取引先お世話になってるところとかっていうのも、全部セットでこう持っとくといいかもしれない。

そうするとお互いそこでウィンウィンっていうかまた別の機会に紹介してもらえるかもしれないし、ディレクターからしてみれば色んな情報持ってる人と認識されて、何かあったときに連絡が来るようになるんです。

新條:今オウンドメディアが増えていますが、例えば社員インタビューをネタ的に判断される際にコンテンツを制作する上で意識したいことはありますか?

金森さん:例えばわかりやすく言うと「マツコの知らない世界」に出たい人がいっぱいいるわけですね。結局は人なんです。バラエティだけじゃないですけど、常に面白い人は探してる。toB企業の場合、直接的にサービスの説明はされなくても、社員が取材されたらばそこに会社名が出る。その時にちゃんと会社の説明や情報があったりすると、そこから広がる可能性はあります。よく代表の方はホームページに出てたりするんですけど、それ以外にもいろんな経歴、人生があって。多分、自分のことって当たり前だと思ってるんですけど、他人が聞いたら、多分食いつくところ必ずある。スポーツマンは学生時代やってましたか?とか、あと趣味のことでもいいですよね。ちょっと変わった趣味とかインタビューして掘って行ったら、意外といると思いますよ。

新條:基本はオウンドメディアでもSNSでも、できれば狙いたいキーワード群で採用や事業に結びつきそうなワーディングで、自社のタレントをコンテンツ化する、特にニッチでそれがハマりそうな人を選定するということですよね。

金森さん:そうですね。補足すると、社内のタレントをサービスすることによって採用にも生きてくると思うんですよね。「この人載ってるから、この人に会いたい」と言って応募されるパターンもあると思うし、波長の合うひとが集まってくると離職率の低下にも繋がるかなと。

あと、会社の中にもSNSやってる人いっぱいいると思うんですよ。もしかするとペンネームでフォロワーがすごく多い人とか、意外とそこは侮れないです。まずは身近にいるインフルエンサーを探すのも手だと思います。

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トークセッション後は、質疑応答を行いました。

質問者:自社はベンチャー企業なのですが、ブランドが強い大手企業と一緒にタイアップする際にどうPRすればよいでしょうか。

金森さん:例えば大手企業のPR動画を作る場合、自分の会社を絡められるようなアイデアを持っていくと良いと思います。先にサービスだというよりは先に文化を作りに行くみたいな動きをしながら結果として、うちのサービス使ってくれれば良いよねみたいな導線作っちゃった方が賢いですかね。

新條:個人的に、金森さんが仰ったような考え方とマーケティングの視点を両方持ち合わせると良いと思います。タイアップをしたことを発表して、喜ぶ人、届けたい人は誰かという話になるかと思います。メディア出るのはすごい良いことなんですけど、出方が散漫にならないように意識することも大事になってくるかと思います。

質問者:テレビの方に持っていく時に、そもそもテレビに出したいって思った時にどういう方に接触して、その最初のところでどうやって接触し始めればいいんでしょうか? 

金森さん:PR会社の方普段やっていると思うんですけど、エンドロールを見てプロデューサーを探して電話→アポイントをとって会うというのがまずベーシックなやり方だと思います。あとは、横の繋がりで紹介してもらってどんどん広げていく。担当者からたらい回しにされたらラッキーで、そこでどんどん名刺交換していっちゃうっていう手もあります。ここに出たいといったなら、それをまわりの知り合いの広報の人たちに紹介してもらうというのもありですよね。

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質問コーナーでは多くの参加者から手が上がり、時間ギリギリまで自社のPRの悩みについて様々な角度から質問が出ました。

今回はその一部をご紹介しましたが、もって理解を深めたい方は第一回の記事も合わせてご覧ください。

また、ドットライフでは個人、会社のブランディング・PRを支援するanother life.タイアップ という商品も取り扱っております。お問い合わせ、疑問等お気軽にご相談ください。