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社員2人で、月間30本更新する体制とは?失敗しない、オウンドメディア継続のコツ

社員2人で、月間30本更新する体制とは?失敗しない、オウンドメディア継続のコツ

企業のマーケティング手法として市民権を得つつあるオウンドメディア。しかし、その運用担当者はさまざまな悩みを抱えています。1人で運用を担当していて、記事を内製するリソースがない。外注しようにもどうライターを探せばよいのかわからない。クラウドソーシングで記事を外注したけれど、クオリティがイマイチ……。効果がうまく測定できなければ、社内の理解と協力も得られません。

そうした課題を乗り越え、成功しているオウンドメディアの担当者は何を基準にメディアの健康状態を測り、施策を決めているのでしょうか。

2021年8月6日に、ドットライフ主催のオンライントークセッション「【コンテンツマーケ担当者向け】失敗しない、オウンドメディア継続のコツ」を実施し、BtoBのリード獲得に寄与するオウンドメディア「カオナビ人事用語集」を担当し、CVR10倍を実現している(株)カオナビの渡辺佳彦さんに、お話を伺いました。

【講師】
渡辺佳彦
株式会社カオナビ Webマーケティンググループ マネージャー
新卒で経営コンサルティング会社に入社。1年未満で退社したのち、7~8年間、個人事業として海外輸入品のECショップ・個人メディアの運営を行う。その後、コンテンツマーケティング支援企業を経て、(株)カオナビ Webマーケティング部門のマネージャーとして、オウンドメディア『カオナビ人事用語集』の運営に携わる。ジョイン後、CVR10倍を実現している。

社内での運用予算の決め方・提案の方法は?

コンテンツマーケティング支援企業を経て、カオナビのマーケティング部署に入社された渡辺さん。入社した際、「カオナビ人事用語集」はすでに立ち上がっており、PVが数万あったもののコンバージョンに関してはどう設定していいか分からないという状態だったそうです。

渡辺さん:「まず入社して最初に掲げた目標は、このメディアでコンバージョンを取るということです。カオナビに関係する資料のダウンロードや、ホワイトペーパー、その他の問い合わせや見積もりなどを導線として置き、上司にロードマップをつくって説明しました。そのため1年~2年ぐらいのシミュレーション表を作り、『1年間で100件ぐらいコンバージョンを取ります』という話をしました」

コンバージョンを獲得するための施策は、オウンドメディア以外にも方法があります。そこで渡辺さんは、他マーケティング施策と費用対効果を検討した上で、社内での提案を行いました。

渡辺さん:「まずは、シミュレーションしているコンバージョンに到達するために必要なおおよその”セッション数”を設定します。次に記事を1本掲載すると獲得できるアクセス数を割り出しました。例えばメディア全体で1万セッションとれていて、記事が20記事あったら一記事あたり500セッションという具合です。そこから逆算すればコンバージョンをとるために必要な記事本数、そして記事制作費用というコストが算出できると思います。効果測定の指標をセッション数に絞ったのは、何よりもシンプルだから。記事数や品質にも直結する指標だと考えています」

さらにコストが見えれば、CPAが割り出せます。「毎月の制作費が10万円で、10件のコンバージョンが取れるのであればコンバージョンコストは1万円。そのコストを既存の広告などの施策と比較して、オウンドメディアのほうが効果的だということも可視化して提案できました」

売りたい商品より、読者の興味を満たす情報を

社内の理解を得て走り出したメディアですが、軌道に乗るまでは平坦ではなかったそうです。

渡辺さん:「一番苦労したのは、コンバージョンの設定です。途中で何度も変えました。はじめはサービスに近いものが良いと考え、サービスの紹介資料やカオナビのトライアルをコンバージョンに設定し、記事のボトムにCTAを置いてみたのですが、なかなかうまくいきません。効果が上がり始めたのは、コンバージョンを試しにホワイトペーパーに切り替えてみたときです。検索流入を狙って書いている記事ですから、読者は最初からカオナビに興味を持っているわけではないことに気付き、興味がありそうな情報をホワイトペーパーという形で提供すると、コンバージョンに繋がりはじめました」

コンバージョンの発見が転換点となり、状況は徐々に好転します。記事を制作する優先度を決めるためには、キーワード選定も重要でした。

渡辺さん:「まず競合サイトや、自社がすでに対策をしているものも含めてキーワードを一覧にしました。そこから各キーワードの検索ボリュームに加えて、カオナビに関連の深いキーワードの優先順位を高く設定すると、そのまま記事を作る順番が決まります。これを実践していくことで、初年度でシミュレーションの5倍ほどのコンバージョンを獲得しました。」

月間30本を更新。クオリティ担保の秘訣は外部パートナーとの“分業制

現在月間約30本のペースで記事を更新している「カオナビ人事用語集」。社内での制作体制には、生産性とクオリティを上げるための工夫があるようです。

渡辺さん:「社員が担当しているステップは戦略・キーワード選定・最終チェックのみで、他のプロセスはすべて外注しています。記事を制作するまでにキーワード選定→構成案作り→ライティング→編集→入稿→公開という流れがありますが、その各ステップに別々の担当がついています。理由は、各担当が一つの作業に集中してもらうことで熟練しやすく、より生産性が高まるからです。」

オウンドメディアにリソースを割けないというのは、多くの企業が抱えている課題です。自社とタッグを組む優れた外部パートナーは、どのように見つけるのでしょうか。

渡辺さん:「可能ならばリファラルが一番ですが、数を集める上で求人媒体を使うことは有効だと思います。私の場合は前職でコンテンツマーケティング支援を行っていた関係で数百名のライターさんと繋がっていたので、その方々にお声がけをしました。過去にライターさんを集めた際は、ブログを運営されているライターさんに直接お声がけしたり、ライター、編集の方が繋がるマッチングサービスも活用していました。初めて仕事をする書き手の方には、見極めが必要です。少なくともトライアルで1記事書いていただくことをお勧めします。もちろん次に繋がらなくても、トライアルごとに報酬はお支払いしています。あとは、面談等を行うことでコミュニケーションが合うかも事前に見たいですね。」

ライター探しには、複数の経路を使ってつながりを求めることが大切。実際、長く仕事を続けているライターの方々にはどんな共通点があるのでしょうか。

渡辺さん:「ライティングの質は大事ですが、やっぱりコミュニケーションかもしれませんね。納期を過ぎてしまいそうな時に事前に連絡を入れるなど、一般常識で考えたマナーを守ってくれる方が結局残っています。他には、こちらのフィードバックにちゃんと意図を汲んで直してくれる。さらに、次の原稿にも反映してくれる方は長く続いています。」

最後にオウンドメディアが継続的に成長する秘訣について、参加者の方からの質問も交えて伺いました。

Q.コンバージョンはどのように分析しているのでしょうか。

基本的にGoogleAnalyticsを使用しています。まず弊社のオウンドメディアの中ではCTAをABテストツールでランダムに表示させることで、どの文章やバナーが効果が高いかを分析します。どの記事からコンバージョンしたか、どのリンクがクリックされたを計測・集計してコンバージョン率が高い記事を発見し、記事やCTAのブラッシュアップに繋げています。

Q.新しい記事のキーワードは、どのような基準で選んでいますか。

基本的には人事界隈・マネジメント・ビジネスに関わるキーワードを採用していきます。なかでも自社に近しいキーワードを優先しています。例えばカオナビの事業である”タレントマネジメント”というキーワードであれば当然優先度が上がります。ただ、そういったワードだけを対策していると全体のキーワードボリュームが少ないので、ボリュームのあるものも狙うというバランスです。キーワードは基本的にツールで抽出しますが、書籍を読み漁ったり、先のトレンドを読む上で海外のサイトから探してくるということもります。

Q.読まれる記事とコンバージョンする記事は同じですか? 

まず良い記事の基準は、沢山アクセスが来るというものと、CVRが高いという2種類あると思います。まず、アクセスの多い記事とコンバージョンをたくさん獲得する記事はおおむね共通しているんですね。セッションが多ければコンバージョンも量は出やすいはずですから。ただし、CVRとアクセス数は必ずしも比例しないのです。SEO的に良い記事は、やはり網羅的に書かれていること。そして検索上位に表示している競合にはないユニークな情報が載っていることだと思います。

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